"Lips" by Sara Pope
Jonatan Erlandsson による
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サラ・ポープの「Lips」
現代アーティストのサラ・ポープは、豊満な唇を大胆かつ魅惑的に描く絵画で知られています。ファッション業界での成功したキャリア(ポール・スミスなどのブランドでのシューズデザイナーとしての経験)や、雑誌でのデザイナー兼アートディレクターとしての活動からインスピレーションを得て、サラは唇や口元が持つ官能性と誘惑力を表現することを目指しています。
美やコミュニケーション、そしてイメージ完璧主義の台頭といったテーマに関心を持つサラは、商業経験の視点を活かしてこれらのテーマを探求します。制作の出発点は、メイクブラシと口紅です。モデルの唇を描き、メイクや照明のテクニックを駆使して、完璧な唇を作り上げるプロセスが始まります。モデルにはさまざまな感情を表現してもらい、それを写真で記録します。その写真をインスピレーションとして作品を制作します。
絵画制作では、薄く希釈した油彩を何層も重ね、各段階で色を丁寧にブレンドし滑らかに仕上げます。場合によっては口紅を絵具に混ぜることもあります。広告のスタイリッシュさを模倣することで、作品は光沢があり、完璧で抗いがたい魅力を持つ仕上がりになります。
サラは現在、英国および国際的に十九のギャラリーに所属しています。昨年はロンドンのジェラス・ギャラリー、フォークストーン・トリエンナーレ期間中のフォークストーンのリルフォード・ギャラリーでのソロ展示、そしてマグナス・ギョエンとの合同展示をロンドンで成功させました。二〇一八年はロンドン・メイフェアのDコンテンポラリー・ギャラリーでのソロ展示から始まり、現在は九月にパリのネクスト・ストリート・ギャラリーでのソロ展示に向けて準備を進めています。
サラはザ・ビッグ・イシュー、ベアミネラルズのメイクアップ、PIASレコード、スウェーデンのファッションブランド・リミタートとのコラボレーションも行っています。また、七十年以上ぶりに、バチカン美術館のコレクションに作品が収蔵された英国人女性アーティストとしても初の快挙を成し遂げました。